NAIKI

Product Story 開発インタビュー

Waltz

踊るような軽やかさ、
人に寄り添う優雅な座り心地

様々な着座姿勢をしなやかに支える背もたれとシート、
カジュアルさと優美さを持ち合わせたフォルムと張地、操作性に優れた機能。
細部にまでこだわり抜いたワークチェアーが、
あらゆるシーンにワンランク上の座り心地をお届けします。

布張り・ビニールレザー張りの新しい座り心地と
デザイン性を追求した『ワルツ』誕生秘話。

これまでの布張り・ビニールレザー張りチェアーでは表現できなかった、身体を包み込むような座り心地と軽やかな美しさを求めて。
ワークチェアーの次なる選択肢をつくるために、素材・デザイン・構造のすべてに試行錯誤を繰り返し、細部まで磨き上げて誕生したのが『ワルツ』です。今回は革新的な一脚を生み出すために最前線で指揮を執った、プロダクトデザイナーの高本順平さんと開発担当の小田達来さんからお話をお伺いしました。

企画・デザイン室 室長
プロダクトデザイナー

高本順平

設計課 係長
商品開発担当

小田達来

Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer. Interview with the Developer.

布張り・ビニールレザー張りで
“身体を優しく包み込む”
という矛盾への挑戦。

『ワルツ』の開発に着手した背景をお聞かせください。

高本

ナイキにとって、ハイエンドクラスとなるワークチェアーのラインナップ拡充を目的として開発が始まりました。現在『セリフト』が多くのお客様にご好評いただいていますが、こちらはメッシュ素材のチェアーです。今回は布張りチェアーでありながら、身体を包み込むような座り心地と軽やかでシャープなデザインを追求し、ユーザーのみなさまにこれまでになかった選択肢をお届けしたいと考えました。

小田

高本さんがその熱い想いをデザインスケッチにしてくれましたので、開発担当としてはどのような機構・部品構成にすればいいかを考え、製造プロセスの設計についてもイメージを膨らませました。

高本

ナイキでは、マネージャークラスのチェアーにはレザー張りを揃えています。しかし、ワークチェアーというカテゴリーには、あまりレザー張りがなかったんですね。そこで布地とともに、人工素材にはなるのですが上質で豊かな風合いを持つビニールレザーも採用することにしました。

小田

“布張り・ビニールレザー張りで、身体を包み込むような座り心地を持つチェアーをつくる”。言葉にするのは簡単ですが、開発の立場から考えると相反することなんですね。メッシュ素材の場合は、ハンモックのような形状にすれば生地だけで身体にフィットさせることができます。しかし、布地やビニールレザーのような厚みのある生地ではそうはいきません。

高本

だからといって、クッション材を布地やビニールレザーでくるむという今までの工程だと“ぼってり”とした印象になり、軽やかさやシャープさを表現できません。そこで背面にはクッション材を使わず、背フレームを2層構造にすることにしました。その上で、背フレームの前面から後面までを1枚の張地で柔らかな曲面になるようにつなげることで、身体を包み込む座り心地と軽やかでシャープなデザイン性を両立させようと考えました。

小田

背フレームを2層構造にすることで、クッション性としなやかな追随性が生まれます。その上で、骨盤・腰椎を支える箇所には柔らかいエラストマー樹脂を採用することにしました。このエラストマー樹脂は樹脂でありながらゴムと同様の弾性を持つ画期的な素材なんです。

高本

エラストマー樹脂を用いるにあたり、硬度にもかなりこだわりましたよね。

小田

柔らかいだけだと人がもたれかかった時に変形したままの状態になり、エラストマー樹脂がちぎれてしまうこともあります。そこで、ある程度の反発力があるタイプを協力メーカーの方と何度も相談しながら選びました。

背フレームの形状はどのようにして決められたのですか。

高本

3Dプリンターで製作したフレームにエラストマー樹脂を想定したゴム素材を張ってみたり、テープを使って湾曲を出してみたりしながら、背中の当たり具合を確かめることからスタートさせました。

最初の試作モデルの座り心地はいかがでしたか。

高本

座り心地は悪くないけど、どちらかといえば普通のチェアーという印象でした。もっとしなりを生み出したかったので素材をどんどん削っていき、より薄さと柔らかさを求めました。

小田

素材を削っていくと強度や耐久性に関わってくるので、「ちょっと勘弁してくれよ」という気持ちでした。その辺は「座り心地」と「設計」のせめぎ合いですね。お互いが妥協することなく改良を加えていきました。

『セリフト』の開発で得た
データと経験を活かして
生まれた座り心地の極み。

座り心地については、『セリフト』を開発した経験が活かされているそうですね。

高本

富山大学の河原雅典教授との取り組みの中で、「背負子理論」に基づいた人間工学的アプローチから『セリフト』を開発しました。その時、骨盤・腰椎を背面・座面でサポートしながら理想の姿勢を保つことができるように設計したデータを、この『ワルツ』にも活かしています。座面に関しても骨盤が適正な位置で止まるように適度な大きさと数の穴を設けた「アンカーフィットシート機構」を踏襲しました。『ワルツ』では包み込むような優しさを追求したかったので、『セリフト』よりも座面の厚さにボリュームを持たせてソフトな座り心地にし、サイズ感もゆったりめにしています。

小田

構造面の特長としては、骨盤・腰椎を支える「ペルビックランバーサポート」という部材には柔らかいエラストマー樹脂、身体に追随する「インナーシェル」という部材にはしなやかなPP樹脂を用い、この2つの素材を組み合わせることで心地よくかつ適正な姿勢を保持できるようにしました。また、リサイクルを考えて一体成型を避け、分別可能にすることで環境面にも配慮しました。これを『ワルツ』では、「ハイブリッドフィットインナーシェル構造」と呼んでいます。『セリフト』ではPP樹脂製の「ペルビックランバーサポート」をオプションでご用意していましたが、『ワルツ』の場合はこの部材を柔らかなエラストマー樹脂に変更した上で付属品にしました。

布地とビニールレザーという質感の違うものを扱う難しさがあったとお聞きしました。

高本

布張り・ビニールレザー張りチェアーのクオリティーを高めるためには、誰が生地を張っても同じ仕上がりにならないといけません。ところが布地はある程度伸縮性があるので張りやすいのですが、ビニールレザーのように硬いものだとどうしても折りジワができてしまうんです。

小田

折りジワをなくすためにビニールレザーのカットの仕方を考え、型紙、角度、長さなどミリ単位で調整し、張り上げ方もいろいろと試しました。ひとつのチェアーで張地を変えることがこんなにも難しいことなのかと大変勉強になりました。今後の製品づくりに向けて、非常にいい経験になったと思います。

様々なワークスタイルや
シーンにフィットする
美と機能の新基準を実現。

数々の課題に挑んだ末に『ワルツ』が誕生しました。このネーミングに込めた想いをお聞かせください。

高本

2層からなる背フレームのデザインを、2人で支えながら舞うワルツに重ね合わせてネーミングしました。踊るような軽やかさ、優雅さ、心地よさをイメージ表現しています。

ユーザーの方々にはどのような体験をお届けしたいですか。

高本

布張り・ビニールレザー張りの新しい座り心地とデザイン性を表現した一脚が完成しました。まず、横からのシルエットに注目してください。背フレームの2層構造により、シャープで軽やかな美しさと身体を包み込む優しさを両立させています。次に正面から見てください。背もたれの下部から座面にかけてはボリューム感にあふれ、ハイエンドな佇まいを醸し出しています。高級感がありながら軽快感もある仕上がりになっています。

小田

そして、座ってみてください。布張り・ビニールレザー張りとは思えない柔らかな背当たり感に驚かれると思います。さらに長時間使い続けていただき、様々な作業のしやすさと疲れにくさを実感してください。あらゆる姿勢に対応できるよう、独自のロッキング機能をはじめメカニックも充実させています。

高本

布地・ビニールレザーのカラーバリエーションも豊富です。布地はビビッドなアクセントカラーからナチュラルで空間に溶け込むカラーまで全10色、ビニールレザーは洗練された気品と格調が漂う全3色をラインナップしています。どちらもナイキの他の家具と相性がよく、トータルコーディネートが可能です。執務室だけでなく会議室、カジュアルなミーティングエリアなど幅広い空間でお使いいただけ、ビニールレザータイプはマネージャー用としてもぴったりです。開発期間中は幾度も試作を重ねました。その積み重ねがこれまでにない座り心地とデザインにつながっています。ぜひ一度体験してください。

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